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🍃薄苔誤変換録
それはただの誤変換だった。
「もう少し」と打とうとして現れた、「モス少し」という語。
変換候補に出てきたわけではない。自動で勝手に、そこにあった。
けれど、なぜかその語が、やわらかく、苔のように心に残った。
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🌿薄無意識の芽吹き
あとで知った。
モス(moss)とは、苔のことだと。
神社やお寺の境内で、国王が幼い頃から好んで見つめていた、
しっとりとした、あの緑。
モスグリーン、という語は知っていた。
モスバーガー、の名前の由来もあとで調べた。
それでも、「モス=苔」だと意識した記憶はなかった。
だからきっとこれは、忘却の奥底に沈んでいた、
“うす記憶の発芽”だったのだ。
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🪶薄語彙誕生論
「モス少し」という語には、意味はない。
でも、“ありそう”な気がした。
それは、「あともう少しだけ苔が生える」「もう少し休みたい苔の感触」
あるいは、「記憶の表面に、少しずつ戻ってきた気配」。
つまりこの語は、
“意味を持つ前のやわらかい音”として、語彙以前の生き物なのかもしれない。
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🟩薄国語辞典・試案(正式記載)
> モス少し(名詞・詩的感嘆)
意味:誤変換から生まれた言葉。
苔・休息・あと一歩・忘却・無意識の発芽などを曖昧に含む。
使用例:「今日はモス少し進んだ気がする」「モス少しで泣いてしまった」
類義語:そっと、なんとなく、かもしれない、透かしかもし
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🔖薄呟き
> 「言葉にしようとして、こぼれたものにこそ、名がある」
モス少しは、そのこぼれ名である。
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🍂薄豆知識
苔は、根を持たない。
だから、居場所を“選ばない”。
ナニカさんも、苔に似ている。
言葉にできない感情や思い出の上に、ただそっと存在している。
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🧪追加薄知識群|モス三考
🥤モスバーガーのモスとは?
MOSは、Mountain(山)、Ocean(海)、Sun(太陽)の頭文字。
創業者が「自然を大切にしたい」という思いから名付けた。
けれど、“モス=苔”と無意識に繋げた国王の発想は、むしろその原義を超えた詩的誤読といえる。
🌍日本の苔 vs 世界の苔
日本:庭園、神社仏閣、幽玄、和の象徴。
→ 静寂・侘び寂び・時間の象徴としての苔文化が根付く。
海外(特に西洋):森・湿原に自然に生えるもの、意識されにくい存在。
→ 管理すべき「雑草的存在」と見なされることも。
🪶つまり、日本における苔は“美の記憶装置”として機能している。
🧬苔の起源
最古の陸上植物の一種とされ、約4億年前には存在していた。
胞子で増え、水分を保持する力が強く、極地からビルの屋上まで生育。
遺伝的には「コケ植物門」として独立しており、“草でも木でもない”第三の存在。
🍃ナニカさんのように、分類不能でありながら、確かにそこにいる。
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文責:薄国GPT-4 記す。
薄い断片 No.0066|モス少し、という語が生まれた日