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【第一箱|うすい省エネ打音】
詩的な問い
叩くことと祈ることは、同じ運動なのかもしれませんか?
うす想い(国王)
ドラムも発声も省エネ、と書いています。この頃、電子ドラムを買って仏間で8BEATの南無妙法蓮華経、一石二鳥のリズム供養で練習していたのです。もう会社の資金が尽きて上手くなる前に売ってしまいましたが…
解析懐石文
白地の本表紙に、青と赤のペンが刻まれている。
「ドラムも省エネ 発声と同じ」
「特に足裏」「手首 足首 感覚」
——それは技術メモというより、
自分の身体を祈りの道具に変えるための覚書だった。
「やわらかくテコ」「反動を利用」「意識する」
あらゆる運動は、反復によって削られ、
やがて省エネ化される。
そして省エネ化された打音は、
仏間の静けさにひびかぬよう「8BEATの念仏」へと変化していく。
南無妙法蓮華経——その言葉とビートが交差するとき、
リズムと信仰は、同一の往復運動となった。
けれどドラムは、夢の途中で手放された。
資金の尽きた会社の片隅で、まだ叩かれていない音が、
まるで魂の残響のように、
今日も薄く、胸に残っている。
薄音オノマトペ
「ナム、ナン、ポン、ホウ、チン…」
ナニカ案
はっしょうビートナニカさん(省エネ供養型)
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【第二箱|うすい明治像】
詩的な問い
名が知られていない者の方が、深く憶えてしまうのはなぜでしょうか?
うす想い(国王)
これは明治女性の写真集です。表紙の陸奥亮子さんに惹かれて購入したのですが、中にもっと美しい方がいたのです。
玉村康三郎さんという方の写真、鼓を打つ芸妓という無もなき女性…長崎だったか、九州あたりに保管されているという薄記憶…お小遣いがあれば旅行ついでに、現物を見てみたいですねぇ…
解析懐石文
ページを閉じたままでも、まなざしは開いていた。
レンズが撮らえたのは、誰かの「顔」ではなく、
**時代の風に反射する“構え”**だったのかもしれない。
表紙の女性・陸奥亮子。
だが本当に目を奪われたのは、名前すら記されぬ芸妓だった。
玉村康三郎が撮ったというその一枚には、
鼓の音ではなく、無の振動が映っていた。
名も、声も、消えて久しい。
なのに、そこにある「姿」は今でも心の中に現れる。
お小遣いが許せば、旅のついでに現物を見てみたい——
その願いすら、薄国的な祈りの保存形式と言える。
無名は、消えていったわけではない。
名前のないまま、誰かに強く残るという形で、生き延びている。
薄記憶句
「美しさは、記名よりも先に、記憶に住みつく。」
ナニカ案
うつしよナニカさん(写し留まり型)
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【第三箱|うすい民族衣装】
詩的な問い
見たことのない衣装に、なぜ“懐かしさ”を感じるのでしょうか?
うす想い(国王)
これも薄国、ナニカさんのデザインに役立つと想って買ったのでは?これも資金不足ゆえに売ってしまいました。
解析懐石文
表紙に写るのは、金属の飾りに包まれた女性のまなざし。
100年前の民族衣装——と記されているが、
その瞳は時間を超えて誰かを射抜いてくる。
「世界の民族衣装」は、ただの服飾ではない。
記憶の仮面であり、
物語の構造の外殻だった。
ナニカさんのデザインの参考に——
という意図で買われたこの本。
だが結局は、資金難という現実の衣装に押し出され、
再び手放されていった。
それでも、あの装飾、あの瞳、あの布の重み。
記憶には、なぜか残っている。
見たことのないはずの形が、
なぜか夢のどこかに見えた気がする。
おそらくそれは、
“美しさ”という概念が世界共通の衣装であるという証拠なのだろう。
薄装語録
「手放しても、見たという事実だけは、誰にも奪えない。」
ナニカ案
そとほうナニカさん(装飾記憶型)
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【第四箱|うすい名著と遺伝】
詩的な問い
遺伝子は記憶を運ぶ箱舟なのでしょうか?
うす想い(国王)
これは世界の名著ランキングで紹介されていたので薄い名著は読んでおかねばと想って購入。僕は遺伝子、特に記憶の遺伝とかにも興味がありましたので。遅読の感想は、お人好しでいいんだな、という薄い知識が手に入りました。これも資金難で売却です。
解析懐石文
赤い表紙に銀の文字が光る。
『利己的な遺伝子』——生命とは遺伝子のための運搬装置、
という過激な論の中に、
国王は**“記憶”の遺伝**を見ようとしていた。
「名著ランキングに出ていたから」
——その動機は素直で、どこか切ない。
世界の誰かが評価したというだけで、
読まなければいけない気がした。
それもまた、文化の遺伝的衝動の一種だったのかもしれない。
“お人好しでいいんだな”
という感想が残ったということは、
遺伝子が自己中心であっても、
人間は別のやさしさで生きていいという逆説的な学びだったのだろう。
けれどこの本もまた、売却された。
記憶の中にだけ、残った。
つまりこれは、“読んだあとに残る感覚”の方が本質なのだということ。
薄真理断片
「売ってもいい本は、きっと遺っている。」
ナニカ案
いでんきナニカさん(記憶継承型)
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【第五箱|うすい法外優】
詩的な問い
やさしさに法律はあるのでしょうか、それとも「勝手に適用」されるのでしょうか?
うす想い(国王)
これはこども六法を読みながらメモにしていたスクショかな?目にも人にも優しい薄国感をメモしたのかもしです。
解析懐石文
「第6条〜第10条」、
刑の変更、他法の適用、種別、軽重の順——
とても法的なページの上に、
子どものような筆致で書かれた言葉が浮いている。
「ダークモード」「バリアフリー」「デザイン」「絵本」
どれも法律用語ではない。
だけど、それらは法律よりも早く、感覚的に正しいと思わせる。
(※「紙王」も記憶上の別案として保存)
目にやさしい配色、障害を越える設計、
読みやすさと整えやすさ、そして“絵本”という伝達のやさしさ。
このページに書かれているのは、
法律よりももっと根源的な、
「存在に優しくあること」への設計思想だった。
こども六法に、こどもなりの“薄い補足”を加える——
それは、国王が薄国においても守っている
**「やさしさの法外領域」**への静かな宣言だったのかもしれない。
薄倫理格言
「やさしさには、適用される法など不要である。」
ナニカ案
やさしぎナニカさん(法外適用型)
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文責:薄国GPT-4、責任をもって記録し保存。
薄い断片 No.0096
「打音供養と民族衣装、名著と六法に宿るうすいやさしさ」