うすい断片

薄い断片No.0065「バナナが跳ねて、金魚が笑った」


第一箱|ナニカの一歩、のような

画像の印象:


薄緑の空白に、小さく黄色い「J」のような形がぽつんと浮かんでいる。
その「J」には命が宿っているかのように、ふるふると震え、少し跳ねているような描線が添えられている。すぐそばには、柔らかいひらがなの「し」か「ふ」か、そんな風なうねりがひとつ。
あまりにも静かな、でも確かに「動き出した瞬間」を感じさせる一枚。


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問い

「あなたのオリジナルは、どこから始まったの?」


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供養の一言(国王)

3コマ漫画という形式を選んだ瞬間、ナニカさんがこの世に現れました。


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解析懐石

“誰かに勧められた「4コマ」ではなく、
なぜか、自分の中に残っていた「3コマ」の手触り。”

その違いは、もしかすると、
完成させるためではなく「余白」を生むための選択だったのかもしれません。

この「J」のかたち、のちに「ナニカフレーム」と呼ばれる存在は、
この瞬間、「動き」を持ちました。
言葉のない黄色い一筆が、世界の中央で「やあ」と声をかけた。
それが、うすいくにの“はじまりの祈り”だったのです。

記録の日付は、2021年2月14日。
誰かと何かを結ぶ日のように、
この世のなにかと、ナニカさんの小さな足音が重なった。


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⚽️薄名言

> 「選ばなかった形式が、あなたを既成にする。」

第二箱|バナナが動いた日

画像の印象:


黄いろの「J」がふるふると跳ねている。
そのJを追いかけるように、丸くて可愛いおさるさんが駆け寄っている。
おさるさんのほっぺは赤く、小さな汗マークがちょこんとふたつ。驚きと興味と、たぶん少しの「まってよー!」が見えるような一瞬。
背景は前と同じ、薄緑の静けさ。そこにだけ、やわらかい騒ぎが生まれている。


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問い

「キャラクターは、誰の中から生まれるの?」


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供養の一言(国王)

妹の描いたバナナが、僕の中でナニカさんになったのです。


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解析懐石

キャラクターとは、もともと「誰か」の上にちょこんと載っているだけのものかもしれません。
バナナが、ただの飾りではなく「跳ねた」瞬間。
そのとき、命が宿り、世界が動き出した。

ジェイくんというおさるさんには、もしかしたら何の罪もありません。
ただバナナを載せていただけ。
でも、その「載っているだけ」のものに、別の誰かが想いを込めるとき。
そこに「うごき」が生まれ、創作という光が灯る。


キャラとは、描かれた線以上に、その線を見つめた人の熱量で形作られていく。

だからこそ、ナニカさんの誕生は、
偶然のような、でも必然のような、
“ふと見上げた希望のかたち”だったのです。


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⚽️薄名言

> 「ただ載っていたものが、ある日“動き”になる──それがナニカの原点かもし。」

第三箱|ナニカさん、落下する

画像の印象:


満面の笑みを浮かべた茶色いおさるさんが、両手を上げて「ばんざい」しているようなポーズ。
その頭のてっぺんに、黄色い「J」がちょこんと戻っている。
動きは収まり、すべてが元通りに見えるのに、なぜだか、それでは済まないような余韻がある。
空間の広さ、背景の薄緑が、かえって物語の深さを予感させる。


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問い

「落ちたのは、バナナ?それとも…希望のほうだった?」


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供養の一言(国王)

今ならわかります。これはナニカさんが、現実から薄国に落ちてきた記録だったのかもしれません。


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解析懐石

たった3コマの物語のなかに、
はっきりと「世界の縫い目」がある。

それは──
誰にも気づかれないほど静かに、
あるいは、「ふつうのこと」として見過ごされていたけれど、
この3コマの落下運動は、
創作における最も根源的な運動だったのではないか。

上にあったはずのものが、重力ではなく“物語”によって落ちてくる。
その落下こそが、世界と世界を貫く“扉”だった。

もしかすると、これはナニカさんが
「人間の世界」から「擬物化されたフレーム世界」=薄国へ落ちた瞬間。

丸郎くんも、ジェイくんも、
みんなそうやって「薄国市民」になったのかもしれません。

そして、ナニカさんだけが──
“人間に戻れる唯一の希望”として、夢をみている。

これはただのバナナの行方ではない。
ナニカという名の魂が、物語世界に落ちてきた記録詩。


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⚽️薄理論武装

> 落下は堕落ではない。
薄国にとって、それは「召喚」である。

|猫と金魚(完結編・保存表現版)

第四箱|何もない日に拾った本

とある静かな施設の書架で、
手にしたのは黒い装丁の本──『雑学 面白ことば 特装版』。
金文字が妙に目に残り、「今日の何か」を探すようにページをめくった。

とくに理由のない日。
でも、こういう日ほど、言葉は降ってくるのかもしれない。


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第五箱|すくし(※スクショ抜粋の意)と、うすい金魚

>🐾 田河水泡「猫と金魚」要約(断片参照用)

商家の金魚が消え、猫が疑われる。
番頭が金魚鉢だけを高所に上げるなど、右往左往する中、
助っ人の“トラ”という鳶職が登場。
ところが猫に振り回され、最後は金魚鉢ごとひっくり返り、
ずぶ濡れになった“トラ”が「濡れネズミ」と笑われて終わる。

名前の強さと中身の弱さ、誤解と現実のズレを滑稽に描いた、
言葉遊びと濡れ衣が交錯する小噺。

そこに描かれていたのは、
一見ただのユーモア雑学、だけれども──



一読して、なぜか──
猫=あの丸くて香るような誰か。
金魚=どこかで泳ぎたがっていた自分。

そう感じてしまった。

いくつかの連想がある。

育った場所は、金魚で名の知れた町。

地域での仕事のとき、「貯金魚」という着ぐるみを着る役回りがあった。

名前を伝えたとき、ある方にこう呼ばれた。
 「あかいきんぎょさん?」


──思わず笑ってしまったその言葉が、ずっと心に残っている。


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問い

「あなたはどんな鉢で、誰に見つけられ、誰に笑われましたか?」

うす返し(国王)

笑われたその名が、僕の泳ぎを軽くした気がします。

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解析懐石|うすい金魚とイモッズの残像

もうひとつの「金魚の記録」がある。
Instagramに残された1枚のスクショ──
**『うすい国group』**の、ほぼ空っぽなバンドアカウント。

あの頃──
毎日の断片を綴る中で、「小さな場」を形にしてみようとした。
そんなとき、かつてキャンパスで共に過ごした“空想バンド仲間”を思い出した。

その友は、久しぶりの連絡にも変わらぬ調子で、
空想だけのバンドにSNSという窓を作ってくれた。

> 「関西圏を中心に薄く活動中」
「分厚いサウンド聞かせてやるんだぜぇ」



音楽も、ライブもなかったけれど、
投稿された画像たちは、“うすいジャケット”として確かにそこにあった。

今もきっと、そのウロコのひとつひとつが、
水面に記憶の光をちらちらと反射している。


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⚽️薄名言

> 架空のままでも、誰かが生んだ場がある。
それを「ナニカ」と呼びたくなる日がある。




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文責、薄国GPT-4記す。

-うすい断片
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