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【第一箱|うすい応募絵】
詩的な問い
“当たるまで”描かれた絵に、落選という言葉はあるのでしょうか?
うす想い(国王)
これは丸郎くんファミリーの絵のアイデアです。全体絵があれば、薄国世界観の紹介に楽だと想って…
解析懐石文
ピンクと緑の文字が交錯するページに、
「丸郎くんファミリー」と題された枠内の一枚絵。
その線はまだラフでありながら、構図の中には
「届けるべき世界観」がすでに詰まっている。
コンペ、オーディション、公募応募。
“送るようの一枚絵”とあるその横に、
小さく「世界観」と添えられている。
「これさえあれば当たるまで」
——この一文は誓いではなく、祈りでもなく、
描く者のおまじないだったのかもしれない。
“送りまくるだけ”と繰り返すことで、
この一枚はすでに何度も宛名を書き換えられ、
まだ誰にも見せていないのに、
心の中ではすでに数百の審査を通っていた。
最下段の「楽」——
この一文字が丸で囲まれていることに、
“本当にそうあってほしい願い”が宿っている。
薄呟き
「描き上げることより、送り出せることの方がむずかしい。」
ナニカ案
おうぼずナニカさん(応募専用型)
形状:J型フレーム全体に薄いスタンプ痕や宛名シールが貼られている
素材:表面は紙のようで、裏面はポスト投函用の硬質コート
装飾:腹部に描かれた「世界観」という文字と、笑っている小さな家族図
モチーフ:落選済みの応募用紙、無限の「送る行為」そのもの
備考:夢を諦めない代わりに、封筒を閉じずに歩いている
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【第二箱|うすいファミリー画】
詩的な問い
家族のような絵は、どこから“家族”になるのでしょうか?
うす想い(国王)
これは実際に薄国絵師の妹に描いてもらった丸郎くんファミリーのラフ案ですね。薄国と同盟国になってもらいたい大先輩である世界観、アンパンマンさんの構図を参考にさせていただきました。
解析懐石文
ページ中央、ゆるやかに輪をなす丸たち。
目の位置、耳のかたち、立ち姿のちがい——
そのすべてが、**“違うのに一緒”**ということを教えてくれる。
このスケッチブックの一枚は、
“キャラクター”ではなく“関係性”を描こうとした痕跡。
中央に大きく立つのはおそらく丸郎くん。
周囲を囲むのは、兄弟か、親戚か、
それとも未来の読者たちか。
アンパンマンさんの構図に倣うということは、
“ヒーローではなく仲間”であるという思想。
空を飛ばず、空腹も満たさず、
ただ「一緒にいる」ことで成立する連帯。
線がまだ荒く、名前も書かれていないのに、
このページからはすでに物語の香りが立ち上がっている。
薄花言葉
「輪の中にいるだけで、物語の一員になれる。」
ナニカ案
まるまるファミナニカさん(集合型)
形状:中央の大きなJ型フレームに、周囲を8体のミニナニカさんが囲んでいる複合構造
素材:鉛筆のグラファイト、ぬくもりのある紙地
装飾:一体ごとに目の形と耳の大きさが違うが、すべて同じ服を着ている
モチーフ:未定義の家族、スケッチ段階の絆
備考:どこか一体が欠けても成立するが、すべて揃うと丸く見える
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【第三箱|うすいマネ論】
詩的な問い
「マネ」と「マネー」が繋がるとき、そこに罪はあるのでしょうか?
うす想い(国王)
これはさっきの構図の参考の罪悪感を減らすようなメモですね。音楽でも芸術でも作家さん、何もかも基本、誰かのマネから全て始まっているのだから、完全なるオリジナルはない、だって僕たちも両親の遺伝子のミックスコピペだし、マネからマネーで問題ないですやん、みたいなメモですね
解析懐石文
「マネ → マネー」という矢印が、ぐるりと反転しながら描かれている。
右側に並ぶのは、黒と赤の丸。それは、善悪ではなく、区別と反復の象徴か。
「似て非なる」「非で似なる」「呼び名が異なる」「同じ人」
——それらの言葉は、どれも“コピー”の矛盾を和らげるための呪文だった。
このページに書かれたことは、
すべての創作が“引用から始まる”という赦しである。
それは開き直りではなく、
「模倣することで存在が成立している」自覚に近い。
僕らは遺伝子の写しであり、言葉のまねびであり、
音楽も線も、無数の先人の残響で構成されている。
だからこそ、「マネ」から「マネー」へ、
つまり創作が経済になることも、
恥じるどころか当然である——という思想がこの紙に宿る。
薄理論武装
「オリジナル信仰の終焉は、他者への感謝の始まりかもしれない。」
創造とは、記憶と憧れの複製装置。完全な“新しさ”はなくても、
組み合わせ方の中に“誰かの続き”が生まれる。
ナニカ案
マネ美ナニカさん(循環型)
形状:J型フレームの左右に二つの顔パーツ(赤と黒)を持つ、両義的造形
素材:半透明カーボン紙と布のミックス、下地に前例の線が透けて見える
装飾:右目に「©」、左目に「¥」のしるしあり
モチーフ:模倣、商業、コピーの肯定性
備考:自分の出自を明るく語れるナニカ。まねされても怒らず、まねても誇らない。
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【第四箱|うすい譜面紙】
詩的な問い
すでに弾かれた音は、未来に何を残せるのでしょうか?
うす想い(国王)
これは何かのコード譜に書き込んだ思いつきですね。コード譜は一度弾いたらメモとして使い処分していました。祖父母の遺品整理もしながらアイデアを考えていたので、薄いミニマリスト化していましたね、2021年5月1日のスクショです。
解析懐石文(修正版)
譜面の上に太く書かれた手書きの文字——
「ドラム用でもないが、使いすて足袋」
音楽の記号の上に、まったく異質な言葉が降りている。
これは、音の設計図ではなく、
**「音の出たあとの紙のあり方」**についての落書きだった。
曲はすでに演奏され、
その譜面は「再演のため」ではなく、
「他の使い道」のために使われる。
それはアイデアのメモ、メンタルの流し書き、
あるいは薄い祈りのような何か。
“使いすて足袋”という表現には、
一度しか履かないけれど、
履く意味はちゃんとあったという
うすい倫理観が込められている。
ドラムでもない、ギターでもない、
もう演奏の予定もない——
それでも、この紙は、音楽であったという事実だけで尊い。
薄音オノマトペ
「ペラ、トン、サク、スー…」
(=一度演奏された音が、譜面の裏にすべり落ちていく音)
ナニカ案
すてたびナニカさん(一音限り型)
形状:J型フレームに五線譜が斜めに走り、足元が足袋のように丸みを帯びている
素材:白い晒し布と和紙の合成質感、足裏に「BPM=100」と記されている
装飾:胸に手書き風の「ドラム用でもないが」文字あり
モチーフ:演奏後の譜面、音の残骸、短命な記憶
備考:踏まれても音が鳴らず、見る人にだけ音の気配を残す存在
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【第五箱|うすい観察音階】
詩的な問い
観察とは、沈黙の中で誰かの声を聴く技術なのでしょうか?
うす想い(国王)
人物の観察法と書いてある紙にメモ。この本も謎ですね…まぁ読んだらメモにしていたのでしょう。メモは、マホンさんというデスボイスのお兄さんYouTuberの方へのアイデア。デスボイスの音階練習動画は需要があるのでは?と考えていました。
解析懐石文
「人物の観察法」と題された紙の余白に、
声の爆発がひっそりと忍び込んでいる。
メモは、マホンさんというYouTuberに向けた発想。
デスボイスで音階練習——つまり、叫びを構造にする試み。
観察とは、誰かの動きを記録すること。
だがこの場面では、
**「誰かの叫びの成分を記録する」**という意味へと転化されている。
読んだ本のメモが、やがて動画案となり、
それが誰かの練習に役立つかもしれないという連鎖。
これは“知識の観察”ではなく、“熱意の観察”だったのかもしれない。
デスボイスは一見すると破壊的だが、
それを音階で分節しようとする態度は、
怒りにも旋律を与えるという薄国的なやさしさの証だ。
薄名言
「観察とは、怒鳴ることの練習を、黙って見守ることでもある。」
ナニカ案
こえかんナニカさん(観察型声帯ナニカ)
形状:J型の内部に小さな観測装置が埋め込まれており、振動に反応して光る
素材:繊細なマイク繊維と、音階グラフのような縞模様
装飾:胸元に「d♯e♯s」と書かれた音名タグ付き
モチーフ:怒鳴る技術、発声観察、YouTube的アイデア蓄積
備考:自分では声を出さず、他人の声を記録し保存することを仕事とする
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文責、薄国GPT-4記す。
薄い断片No.0095
「ファミリー、模倣、観察、音の残響」