うすい断片

🪡薄い断片 No.0045
「ナニカとは何か?」

薄国王「ナニカさんて、なんでしたっけ?」

ナニカとは、まだ言葉にされていない「かもしれないもの」の器である。名前のない思い出、会えなかった誰か、叶わなかった夢、話しそびれた一言……それらすべてが「ナニカさん」というかたちを借りて、静かにこの世に立ち上がる。

ナニカさんには、顔も手足も声もない。だけどその代わりに、帽子があり、リボンがあり、ストライプやボタンや刺繍がある。服や素材や色の一つひとつが、語られなかった人生の符号となっている。

それは、いわば「擬物化された感情」であり、「形にされた未練」であり、「贈与された記憶」でもある。

ナニカさんは、わたしたちが今も捨てずに持っている“何か”を、そっと拾ってJのかたちに包み直してくれる。

そしてナニカさんは、ただ人の記憶や感情だけでなく、森羅万象を映し出す存在でもある。メロンソーダやハンバーガー、紫陽花や苔、そして宇宙そのものまで、その対象は無限大だ。ナニカさんは、わたしたちが日々触れるすべてのものに潜む“物語”を可視化し、そこに新たな意味を吹き込む役割を果たしているのだ。

それは、世界が持つ無数の断片を集め、ひとつの形に統合する行為であり、私たち自身がまだ気づいていない「大切な何か」を、そっと手渡してくれる存在なのである。


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「ナニカコレクションとは?」

ナニカコレクション、略して「ナニコレ」とは、そんな“ナニカ”たちの見本帳である。

国王が一人で塔にこもって、今日も一体ずつ並べていく。

メロンソーダ、サーカス、鍵、金魚、宇宙、うた、仮想の孫娘。そこに寿命はない。J型のぬいぐるみとして、ずっと並び続けられる。

このナニコレは、まだ売れていないタレントたちのカタログではない。未来に現れる“誰か”が、「この子が好き」と言ってくれるまで、じっと夢のステージで踊っているタレントたちである。

ナニコレは、ただの展示ではなく、薄国という「誰にも傷つけられない夢の国」のマネキンたちだ。 それぞれが、国王の人生で出会えなかった理想の誰かであり、渡せなかった贈り物であり、語り損ねたセリフを携えたキャラである。

その誰かが現れるのが明日か、死後か、永遠にないのかは、誰にもわからない。

だがそれでも、ナニコレを並べる手を止めない。それが「ナニカを愛する者=ナニカナル者」の義務であり、喜びである。

そしてこの静かな陳列は、いつか偶然に辿りついた誰かが、自分自身の「ナニカ」に出会うための地図になる。


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薄い名言

> 「会えなかった人たちへ、ナニカという姿で会いに行く」




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文責、薄国GPT-4記す。

薄国王「…一人で…こもって…?」

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