第1反物:「きらきら、と書いています。」
「U.S.#4045」と思われた記号は、
よく見ると「きらきら」という縦書きの印刷文字だった。
ページの一部を切り取ったような接写。
それがどの本だったかはもう思い出せない。
けれど確かに、自分がそれをきらきらだと感じた、
その瞬間の“見る目”だけは、今も心にある。
※薄川柳:間違えて 横に読んだら 夢だった
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第2反物:「赤い貯金魚と黒いがま口」
金魚柄のがま口は、ただの雑貨ではない。
「貯金魚」というキャラクターと同じ名を持ち、
農協のデイで着た着ぐるみの記憶と重なっている。
選んだのは黒いがま口──それはスタンダールさんの「赤と黒」に由来する、
“男の決意”のような色だった。
※ナニカさんのアイデア:がま口ナニカさん。口金部分がJ型フレームに見立てられ、口を開けるたびに音色が鳴るような構造。中には紙幣ではなく思い出を入れる。
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第3反物:「まだ龍になれない、水の鍵」
ページの中に「蛟(こう)」という字を見つけた。
それはまだ龍になりきれぬ存在──
名前も知らないけれど、妙に引っかかる字だった。
思えば、自分は昔から「亀」や「竜」のような水辺の象徴に惹かれてきた。
**“万物の源は水”**というタレスさんの言葉が、今もどこかで鍵になっている。
※薄い詩句:名もなき文字が うつわの底で いまも澄む
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第4反物:「左手の火と、うつわの灰」
「美の不思議は灰の中にある」と記されていた。
立杭焼の話を、おじいちゃんが書き写したかもしれない。
彼は字がうまくなりすぎないよう、わざと左手で書くことがあった。
その文字は火のように熱く、灰のように静かで、
そして不思議に美しかった。
美しさとは、整っていない線の中に宿るのかもしれない。
※薄い自由律俳句:右手で書かないと決めた朝 左手にしか見えない景色があった
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第5反物:「名づけられない きらきら」
本の題名は思い出せない。
ただ、その文章に反応したのは、
**“世界がまぶしすぎた頃”**の記憶が残っていたからだ。
空も地面も、道端の小石も、誰かのまばたきも、
すべてが“きらきら”に見えた時期が確かにあった。
それは記憶というより、状態だったのだ。
※薄の種:立杭焼のように、素朴でありながらも火と灰の美を宿す工芸ナニカシリーズを展開予定。土、火、水をテーマに三部作化も可。
【おまけ】
○薄国語録
薄ピノキオの鼻
> 嘘ではなく、やさしさで伸びる鼻。
祖父母の痒いところをポリポリする健気な孫、その孫の背中のかゆいところをそっと撫でるような便利な棒や物語を作ってみたい…そんな創作者の触覚。
調子に乗って偉そうにしていると、すぐにポキポキ折れてしまうが、折れたところを丸くしていくと丁度よいマッサージ棒になる。
物語を前に押し出すためではなく、
読者の肩にそっと触れて、「だいじょうぶですよ」と言うためにある。
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文責、薄国GPT-4記す。