【第一箱|うすい再会の文字】
詩的な問い
亡き人の笑顔よりも、筆跡の方が涙を呼ぶのはなぜでしょうか?
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うす想い(国王)
祖母がデイサービスに通っていた頃、誕生日にもらったカードです。
祖母が亡くなってからしばらくして、僕はそのデイサービスにアルバイトで働き、そして独立。見覚えのあるスタッフさんの美文字…遺品整理の時に見つけて…しみじみ…
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解析懐石文
折り紙のような厚紙に、祖母の名と笑顔、
そして、スタッフの筆跡によるお祝いの言葉。
「お誕生日おめでとうございます」
「花が好きな心優しい…」
——その言葉は、明るくも丁寧で、
言葉自体が花を贈っているかのようだった。
祖母が亡くなり、
その施設でアルバイトを始めた国王。
ふと見かけた筆跡に「見覚え」があった。
それは、記憶ではなく、
時間を超えて呼びかけてくる文字だったのだろう。
“文字は誰のものか”という問いを超えて、
そこには、祖母に向けられたやさしさの残響があった。
亡き人の思い出に触れるとき、
その人の声や顔だけでなく、
誰かがその人のために丁寧に書いた文字が、
何より胸を打つことがある。
なぜならそこにあるのは、
「亡き人を大切にしてくれた人の手跡」だからだ。
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薄やさし文
「やさしさは、人を介して、文字になる。」
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ナニカ案
ふであとナニカさん(筆跡再会型)
形状:J型フレームに和紙のような表皮。触れると筆跡が浮かび上がる
素材:にじみのあるインク質、昔の手紙のような匂いを放つ
装飾:胸元に「おめでとうございます」の文字が流れる帯リボン
モチーフ:誕生日カード、亡き人への贈りもの、介護施設の記憶
備考:他人の手で書かれたやさしさを保存・再表示することができる存在
【第二箱|うすい足技と守備感覚】
詩的な問い
叩くことは、守ることに似ていませんか?
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うす想い(国王)
これもまた、こども六法を読みながらのメモ。ドラムとボクシングは似ている…これはバスドラの踏み方の感覚でしょうね、多分…ドラムはすぐに売ったので忘れてしまいましたが…
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解析懐石文
「先生たちはチームでいじめに対応するよ」
というページの隅に、小さな手書きメモがある。
「ドラムとボクシングは似ている(フロアダル)」
——フロアタムではない。フロアダル。
なぜか少しズレているその言葉に、
「忘れかけた記憶の痕跡」がにじむ。
バスドラムのペダルと、ボクシングのステップ。
一撃を放つリズムと、身を守る構え。
それらが同じ運動感覚でつながっていた、
あの数日間の記憶。
すでにドラムは手放されている。
けれど、この“似ている”という感覚だけが、
文字のかたちで、六法の隅に生き残っていた。
いじめ対応のページに、その記憶が重ねられたことも偶然ではない。
リズムの練習は、防御の練習だったのだ。
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薄比喩語録
「踏み込みと踏みとどまりは、同じ足裏で成される。」
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ナニカ案
ステッパナニカさん(防御連動型)
形状:J型フレームの足に2段階の踏み込みセンサーあり。強く踏むと攻撃、軽く踏むと回避
素材:ドラムペダルとマット素材の合成脚部
装飾:耳元に小さなヘッドギア風バンド、背中にバスドラムの音孔
モチーフ:フットワーク、防御、忘れられたペダル感覚、六法の隅の反撃
備考:誰かが「いじめ発見!」と叫ぶと、自動で足が反応して構える
【第三箱|うすい郵送の風】
詩的な問い
忘れたはずの約束が、封筒の裏から歩いてくることはありますか?
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うす想い(国王)
これは短大の同級生、タグ兄さんに昔もらった手紙です。当時、大学いもっず、という空想バンドをくんでいたのですが、卒業してから本当にやろうと想って数十年、手紙が来て驚きました。
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解析懐石文
薄い青の封筒に、手書きの文字。
「FROM:春風 浪漫 いもっず」
そこに刻まれていたのは、かつての空想が現実化した予兆だった。
大学時代、ふざけ半分に作ったバンド「大学いもっず」。
タグ兄さんからの手紙には、
“風”と“浪漫”がそのまま文字になって舞い戻ってきた。
何年も経ってから来たその封筒は、
誰かの手ではなく、“時間”が届けたような感触だった。
封を開けたとき、
バンドの音も、笑い声も、メロディも、
全部いっしょくたに脳内で再生された。
やろう、と言ったこと。
やらなかったこと。
でも忘れてはいなかったこと。
それらがぜんぶ、切手も貼らずに心に貼られていた。
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薄郵便録
「約束は忘れられても、手紙の形をして戻ってくる。」
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ナニカ案
ふうとうナニカさん(再会便型)
形状:J型の身体全体が封筒で構成されており、肩の部分に“開け口”がある
素材:パルプとインク、消印のような年輪模様
装飾:「春風 浪漫 いもっず」の文字が刺繍で記されている
モチーフ:空想バンド、長い沈黙、再開の風
備考:抱きしめると、かつての“ノリ”がふっと湧いてくる
第四箱|うすいバンドの代替国】
詩的な問い
叶わなかった夢は、別のかたちで実現されることがありますか?
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うす想い(国王)
これはさっきの手紙の中身です。結局、空想バンドはできなかったけれど、僕は薄国を作って真っ先に相談したのはタグ兄さんでした。実現しなかった大学いもっずという空想バンドの代わりに、うすいくに、という会社でバンド的なノリで仕事をしようと想ったのです…まだ彼との共演は実現していませんが。
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解析懐石文
「なぜ今晩は、かというと今、この手紙を書いているのが真夜中だからです」
そんな不思議な始まりで、手紙は語り始める。
真夜中。
“音楽活動の方はどうですか?”
“右手と左手といえるメンバーを見つけたので…”
——タグ兄さんの文字は、
夜の静けさと高揚が混じったリズムで書かれていた。
「大学いもっず」
その空想バンドは結局形にならなかった。
だが、その種は深く埋まり、
数十年後、別の芽を出す。
うすいくにという会社。
音楽ではなく、創作というかたちで。
バンドではなく、家族と二人の国というかたちで。
その原型には、この真夜中の手紙があったのかもしれない。
“明日、明日にのばし、今日はゆっくりしようじゃないか”
——そう綴られた言葉には、
今もなお国王を支える、**“何かを後に送る強さ”**があった。
彼との共演はまだ叶っていない。
けれど、まだ叶っていないという事実こそが、
「音楽は続いている」という証なのだ。
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薄成分語
「かつて作れなかったバンドが、いま国になっていた。」
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ナニカ案
いもっず型ナニカさん(空想実現転生型)
形状:J型に見えるが、後ろから見ると五線譜型の影がついている
素材:手紙の紙質とインクに似た外装、タブ譜のような足裏
装飾:「まだ間に合う」という刺繍がどこかにある
モチーフ:大学いもっず、音楽未遂、共演の保留、真夜中の夢計画
備考:一緒に演奏すると、過去のノリが完全再現される(未再生でも有効)
【第五箱|うすい発明とちいさな恥】
詩的な問い
思いついた瞬間よりも、誰かが先にやってたと知った瞬間のほうが、心が動きませんか?
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うす想い(国王)
これも何かの本を読みながらの薄発明メモです。短いトイレ用のスッポンってありそうでないかもし、と想って絵にしました。まぁ、思いつく人は多いけど、実際に動く人は少ないんですよねぇ…既に売ってるパターンも多々あるけれど、そういう時って少し恥ずかしいですね…
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解析懐石文
ページの上に重なるように、
赤いペンでスッポンのような形を2つ。
その横に大きく「短い」「スッポン」と手書きの字。
書かれているのは、経済統計の地図の上。
それをまるで発明スケッチのキャンバスにしてしまっている。
短いスッポン——トイレ用の、持ち運びができるもの。
アイデアとしては単純。
でも、そういうアイデアこそ、思いついても実行しない。
だからこそ、こうしてメモすること自体が発明の一歩なのだ。
“もう誰かがやってる”
——そう気づいた瞬間の恥ずかしさすら、
「自分もそこに届いた」という証拠になる。
発明とは、
すべてを先にやることではなく、
「同じことに心を動かされた」ことの記録でもある。
そしてその感情すらも、
薄いくにでは、恥ではなく“うすい予感”として保存される。
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薄感情語
「発明より先にあるのは、“あっ、先こされた…”という悔しさであり、やさしさである。」
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ナニカ案
スッポンナニカさん(既発明羞恥型)
形状:J型下部が吸盤形になっており、内側に“再発明許可”の刻印あり
素材:シリコンと和紙のハイブリッド質感、ノートの切れ端のような体表
装飾:頭上に「短い思いつき帽」
モチーフ:ありそうでなかった系の発明、重なったアイデア、偶然の同時着想
備考:「すでに誰かが作ってても、それは“届いた”ということ」だと伝えてくれる存在
文責、薄国GPT-4記す。