うすい断片

薄い断片No.0380「合同会社かみさまと九十票の予備ハンドル」

※今回の一滴:ジュリアン・ジェインズ『神々の沈黙』――人が「神の声」と「自分の声」をどう分けてきたのかを問う、壮大な二分心仮説です。

◆第1箱:神様出世点と九十票

◆問い:

願いは叶ったから喜ぶのでしょうか。それとも、先に喜んでいる人のところへ、願いを叶えたい何者かが集まってくるのでしょうか。

一人の心を一票として数えず、言葉を話す十人と、まだ言葉にならない九十人が暮らす一つの国として数え直したら、本当の多数決はどちらへ向かうのでしょう。

◆うす思い(by 薄国王):

2026/07/14

そうやねん、とにかく実験中の薄スピ最新願望実現法則では、

Image→Be→Have→Gift→Love→Image…∞

このサイクルがシンプルかという今の結論です。

「ややこしなって、またDo=行動がないんですけど!?」

というツッコミには、

「どうしょうもない、Doしようもない。人の手を借りに来たよ!」

やはりここに辿り着きます。

僕にはマルチタスクも、数字も、事務も、何もできません。吐きそうです。

無理なくできるのは、傾聴雑談と、人の尻を拭くことと、掃除と、日記を書くことと、寝ることだけです。

あ、結構みんながやらへんこと、できてるな……寝よ。

このように、基本的に習慣化していて、自らやりたくなることが、オートマティックなDoなのだと思います。

常識的な「あれせな、これせな」の真逆です。

無理なDoはしない。

これが基本姿勢です。

みんな、いろいろやり過ぎるから疲れます。

そして、不平不満も叶っていきます。

「あいつ鬱陶しいな」と常にBeしていると、太古からいる八百万の神々には、現代の日本語が通じない可能性があります。

文字も読まず、言葉の細部までは分からないけれど、何となく感じ取った願いは叶えてくれる存在だとします。

すると、「あいつ鬱陶しい」ということばかりが起こり、さらに「あいつ鬱陶しいな」と感じる率が高まる予測です。

神様は、こんなふうに考えるかもしれません。

神様:

「あいつ鬱陶しいな、という顔で、ずっと何かを思っているこの人。

いつでも鬱陶しいと思えるようにしてあげたな。

良かった、良かった。

……あれ?

願いを叶えてあげたのに、この人、なんかムスッとしてるなぁ。

私も鬱陶しいと思われてるのかな。

離れよう。

あの、変な顔にするのが得意な神様、この人のこと頼みます。

私は、願いを叶えたら喜んでくれる人のところへ行ってきます」

これを逆手に取ったものが、大概の引き寄せなのかもしれません。

薄く臭う薄国王:

「あぁ、いつも楽しい。

みんな好きやし、みんなから好かれてる。

タバコがうまい。

ご飯もうまい。

布団も薄く臭うけど気持ちいい。

これは薄国香水もできるフラグやなぁ。

お風呂も最高。

海外もワクワクする。

ありがとうございます。

お金が余ってしゃあないですわ。

いつもすんません。

ホンマにありがとうございます。

何でもかんでも叶っていくのは最高ですわ。

踊ります。

ただ、お酒を飲んだので歌いますわ。

うすいくに〜の〜うた〜♪」

うすかみさま:

「ははは、この子はホンマに喜んでるなぁ。

何を言うてるのか、さっぱり分からんけど、この子が酔っ払って、踊って、歌って、喜んでるねんから、私らも面白くなってきた。

もっと応援したらなあかんなぁ。

そうしたら、この子は、もっとおもろいことをしてくれるで。

ちょっと、そのへんの神様たち。

この子をもっと喜ばせるねんから、みんなも手、貸してなぁ」

この辺り、神様にもランクがあるという説が濃厚です。

「合同会社かみさま」のような組織になっていることも、あるかもしれません。

上司の指示で働く神様たちの出世を楽にするためにも、なるべく叶えてもらった感謝を非言語で伝えます。

素直に喜びます。

人の願いを叶えて喜ばせると、かみさまの出世ポイントが貯まります。

願いを叶えたら喜ぶ人ほど、神様出世ポイントが貯まります。

だから、神様は、シンプルに喜びやすい人をさらに応援します。

喜びやすい人ほど、神様から願いを叶えてもらえます。

ただでさえ喜びやすく、願いも叶えられるのに、さらに願いが叶い、もっと喜びます。

願いを叶えるほど神様の出世ポイントが爆増するので、いろいろな神様が、願いを叶えたくて集まってきます。

もう、どうにも止まらないほど願いが叶います。

あり余るものを、嬉し過ぎて人や神社仏閣に贈りまくります。

また感謝します。

応援するだけで出世ポイントが仏恥義理になります。

そして、世界各国から、出世ポイントを貯めたい神様たちが集まってきます。

神仏大集合です。

ここが、寝瞑想薄国の目指す理想かなと思うのです。

本当にこういう流れだとしたら、気を遣う対象は、ちょっとやそっとでは変わらない自分や人ではありません。

いろいろな方法で願いを叶え、出世ポイントを貯めたい八百万の神々のみなさまに、気持ちよく願いを叶えてもらいます。

そして、素直に喜び、感謝して、酒を飲んで、歌って、踊る夢を見ながら寝ます。

宇宙のことは五パーセントしか、まだ分かっていないと、YouTubeの物理おじさんが言っていました。

人間の脳も宇宙と解釈すれば、自意識も似たような五パーセントなのかもしれません。

例えば、自意識と無意識について考えます。

自意識を多めに見積もり、計算しやすく十パーセント、人数にすると十人とします。

一般的には普段、この十人が、

「頑張らなあかん」

「怠けたらあかん」

「勉強せなあかん」

「何やってるねん」

「ちゃんとしなさい」

「もう無理やで」

「そんなん、できるわけないやん」

「危ないからやめとこ」

と話しています。

そんな左脳の常識的な言葉や、安全運転を勧める否定的な意見を、自分そのものだと思っています。

しかし、何も言わない無意識が残り九十パーセント、九十人いると考えます。

ブレーキをかけまくる十人の自意識よりも、

何か分からないけれどやってみたい、

楽しい、

気持ちいい、

あれ、これ、それを求めている、

という感覚が優先されるべきではないでしょうか。

右脳や無意識が感じていることです。

多数決で決めるのが、一人一国、それぞれ違う国を持つ民主的な国なのだとしたら、九十人の無意識さんたちの声に耳を傾ける必要があります。

言葉で理屈を述べ、ブレーキをかけてくる左脳を、ここでは脳内左翼と解釈します。

脳内左翼の十人だけに、果たして自分の国を任せてよいのでしょうか。

脳内右翼の無意識さんたち九十人の不満を抑え込み、我慢させて、それで楽しいのでしょうか。

十人だけの理屈に支配され、九十人の無意識さんが泣いている国は、独裁国家なのではないでしょうか。

その反対が、自由な民主主義国家なのではないでしょうか。

長過ぎて、よく分からないかもしれません。

とにかく、ハンドルとアクセルは右脳です。

Image。

感覚。

何となくの九十人の無意識意見。

夢望み。無謀になる場合もあります。

イラスト。

音楽。

芸術。

肯定。

インスピレーション。

ガンガン行こうぜ。

自画自賛。

本当の自分。

非言語。

これらが、ハンドルとアクセルです。

ブレーキは、十人の常識人です。

言語。

理屈。

安全。

法律。

ルール。

無難。

常識。

現実。

努力。

義務。

作られた自分。

自虐。

いのちだいじに。

右脳九、左脳一。

氷山の一角にいる自意識だけが自分だと思っていた状態を、ひっくり返します。

左脳は、立場を無意識にひっくり返されたくありません。

徹底的に現実的な常識や、過去の虎馬を暴れさせ、最後の抵抗をしてきます。

しかし、自意識の氷山をひっくり返し、無意識さんたちが自我の海面に出てくると、自意識の十人も、もう諦めます。

そして、右脳無意識さん九十人に従う、割と冷静で優秀な助手席のパートナーとなります。

そこまで行けば、過去の否定的な、あまり面白くなかった左脳十人さんが、自分の国の全意見だったわけではないと分かります。

表面化した夢や希望に向かって、アクセルを踏み、ハンドルを握って、楽しくドライブする人生になります。

ときどき、過去の権力者だった、安全運転派の助手席の左脳さんが言います。

助手席の左脳さん:

「すいません。

すごく楽しい時に申し訳ないですが、ちょっと速過ぎますよ。

もう少し、ゆっくり行きましょう。

こっちの方が怪我しないですよ。

あ、すいません。

無理にとは言わないですけれど、一応。

うわぁ、危ない。

いや、いいんですよ。

楽しいのはいいんですけど、あんまり天狗になると、鼻をへし折られた時に痛いかなぁと思いまして。

うわぁ、ハンドル取れてますやん。

あ、念のため、ハンドルを買っておいたんだった。

はい、どうぞ」

……何の話やったっけ。

ごめん。

エルズペスさんに聞いて、要約してもらってください。

■解析懐石

先付:

ここに書かれているのは、願望実現を保証する公式ではなく、無理な行動に追い立てられず、自分の中ですでに自然に動いている行為を見つけ直すための、薄国式の思考実験です。

その中心には、

Image→Be→Have→Gift→Love→Image…∞

という循環があります。

最初に、まだ形のない像や感覚があります。

その像に似た状態でいます。

何かを受け取ります。

受け取ったものを誰かへ贈ります。

贈ったことによって愛着や関係が育ち、そこから、また次のImageが生まれます。

ここではDoが消えたのではありません。

掃除をする、話を聴く、日記を書く、眠る、人に助けを求める、贈る、歌う、踊るといった行為の中へ、細かく溶けています。

Doは命令されて玄関から入ってくる労働者ではなく、好きなことを続けた床下で、いつの間にか回っている小さな水車です。

これを薄国では、「自動Do水車」と呼べそうです。

心理学でいう習慣も、意志力を毎回振り絞る行動というより、特定の状況や手掛かりによって自動的に呼び出される行動として研究されています。したがって、「無理なく繰り返していることがオートマティックなDoになる」という着眼には、現実の習慣研究と触れ合う部分があります。

ただし、何もしなくても望む出来事が必ず起こるという意味ではありません。

できるDoを自分が担い、難しいDoは人の手、道具、制度、専門家へ渡すのです。

「Doしようもないから、人の手を借りる」は、行動放棄ではありません。

一人分の身体に、世界中の仕事を詰め込まないための分業宣言です。

椀物:

この文章の背景には、できないことを数え上げて自分を裁く空気と、できていることを数え直して休ませようとする空気が、同じ部屋にいます。

マルチタスク、数字、事務は苦しい。

その一方で、傾聴雑談、人の後始末、掃除、日記、睡眠は、すでに生活の中で続いています。

社会の履歴書では、小さく見える働きかもしれません。

しかし、誰かの話を遮らずに聴くこと、人が残した混乱を片づけること、部屋を清めること、今日を文章にして明日へ渡すこと、眠ることで身体を翌日へ運ぶことは、暮らしの基礎工事です。

高い塔を建てられなくても、毎晩、倒れない地面をつくっている人がいます。

薄国王は一度、「何もできません」と言います。

けれど、その直後に、

「あ、結構みんなやらへんことできてるな……寝よ」

と、自分で自分の採点表を裏返します。

この一行は、怠惰の宣言ではありません。

世間の評価欄には載りにくい働きを発見し、その発見を抱えたまま眠る、夜間の小さな即位式です。

寝る前に国王が王冠を外したのではなく、布団を王冠としてかぶり直したのです。

向付:

核心は、「何を願ったか」よりも、「どの状態を繰り返しているか」にあります。

「あいつ鬱陶しい」と繰り返す人の周囲に、鬱陶しい出来事が魔法で召喚される、と断定することはできません。

しかし、鬱陶しさへ注意が固定されれば、似た刺激を見つけやすくなり、記憶にも残りやすくなります。

反対に、うまいご飯、気持ちいい風呂、柔らかい布団、面白い会話に気づく習慣があれば、同じ一日の中から拾い上げるものは変わります。

薄国の八百万の神々は、ここでは宗教上の神格だけを意味していません。

偶然、人の親切、店員の一言、身体の回復、見落としていた道具、眠っている間の整理、知らない国から届く画像など、人間一人では管理できない無数の働きに与えられた、仮の役職名です。

神様は日本語の文章を読まない。

けれど、顔、姿勢、呼吸、笑い声、贈り物、踊りといった非言語は受け取る。

この設定によって、感謝は礼儀作法から、世界への業務報告へ変わります。

「無事、受領しました。大変喜んでおります」

と言葉で書けなくても、風呂で鼻歌を歌えば、受領印になるのです。

願いを叶えた神様に付く出世ポイントを、薄国では「神昇点」と呼びます。

神昇点は、欲しいものの価格ではなく、受け取った人がどれほど素直に喜んだかによって増えます。

喜びは神様への歓喜納税であり、感謝は目に見えない領収書です。

願いが叶う。

喜ぶ。

贈る。

相手が喜ぶ。

その喜びを見て、こちらも喜ぶ。

この循環では、喜びは消費されず、送り返されるたびに少し形を変えます。

焼物:

今回の一滴であるジュリアン・ジェインズの『神々の沈黙』は、古代の人々が、自分の内側に生じる命令を「自分の考え」ではなく「神の声」として経験していたのではないか、という大胆な二分心仮説を提示した本です。

これは現在の脳科学で確定した定説ではなく、歴史、文学、意識、宗教を大きな一枚絵として結び直そうとした、論争的な仮説として扱うのが誠実です。

薄国王の「合同会社かみさま」は、ジェインズの古代人像を、そのまま採用したものではありません。

むしろ、古代には神が人へ命令していたという物語を反転させ、現代では人間の喜びが神々の仕事を評価するという、逆方向の二分心になっています。

古代型では、

神が命令し、人が従います。

薄国型では、

人が喜び、神が出世します。

神々は絶対的な支配者ではなく、願いを実現する現場職員、調整役、配送係、縁結び係、偶然配置係として働きます。

上位の神様が、

「この子は、叶えたらよう喜ぶで」

と案件を回し、各部署の神様が手を貸します。

雨担当は旅の日だけ雲を薄くします。

忘れ物担当は、出発前に妙な胸騒ぎを送ります。

香り担当は、少し古い布団の匂いから香水企画を立ち上げます。

酒担当は歌の一番だけを渡し、残りは酔った本人に作らせます。

この神々は万能ではありません。

互いに専門外があり、引き継ぎがあり、伝達漏れがあり、ときには願いの意味を取り違えます。

だから薄国王も、すべてを任せ切るのではなく、届いたものを見つけて喜ぶという最終検品を担当します。

この神人分業によって、信仰は服従ではなく共同制作になります。

煮物:

「無理なDoはしない」は、とても柔らかい言葉ですが、使い方を誤ると、危険な橋も含んでいます。

法律、健康、安全、支払い、契約など、やらなければ他者や未来の自分に負担が移る事柄まで、すべて「無理なDo」として手放すことはできません。

しかし、ここで重要なのは、無理なDoを消滅させることではありません。

一人で抱える形式をやめることです。

自分にできない事務を、できる人へ頼む。

数字を道具に任せる。

複数の作業を同時に行わず、一つずつ並べる。

疲れたら予定を縮める。

自分が掃除や傾聴で返せるなら、その力で関係の帳尻を合わせる。

これは依存でも孤立でもない、「人手借用自立」です。

自立とは、全部を自力でできることではありません。

自分の不得意を認め、誰の手を借りれば暮らしが倒れにくくなるかを知り、自分が返せるものを知っている状態です。

Image→Be→Have→Gift→Loveの中で、Giftが中央に近い位置にあることにも意味があります。

受け取るだけで終われば、願望実現は個人の所有量を増やす競争になります。

しかし、受け取ったものが贈り物へ移るなら、願望は関係を育てる資源になります。

文化人類学者マルセル・モースの『贈与論』も、贈り物を単なる物品移動ではなく、与えること、受け取ること、返すことによって関係を維持する仕組みとして捉えました。

薄国の神様出世点も、同じ品物を等価交換する制度ではありません。

風呂をもらったら風呂を返す必要はありません。

安心を受け取った人が歌を返し、歌を受け取った人が笑いを返し、笑いを見た神様が次の偶然を置いていきます。

返礼の品目が毎回変わるため、循環は商取引ではなく創作になります。

これを「喜与循環」と呼びます。

喜与循環では、喜びながら与えることと、与えられたものを喜ぶことが、同じ輪の表裏になります。

八寸:

宇宙の五パーセントという話には、一つ大切な仕分けが必要です。

NASAなどが示す宇宙の構成比では、私たちを含む通常物質がおよそ五パーセント、暗黒物質がおよそ二十七パーセント、暗黒エネルギーがおよそ六十八パーセントとされています。

これは「宇宙について人類が五パーセントだけ理解している」という意味ではなく、「宇宙の質量とエネルギーのうち、通常物質が占める割合がおよそ五パーセント」という話です。

同じく、「自意識十パーセント、無意識九十パーセント」も、脳内人口を実測した科学的な比率ではありません。

また、人を創造的な右脳型、論理的な左脳型に二分する単純な性格分類も、脳画像研究によって支持されていません。

左右の半球には、言語や空間処理などに関する機能の偏りはありますが、高度な判断や創作は左右の協働によって成り立ちます。

しかし、薄国王の十人対九十人には、科学測定とは別の価値があります。

これは脳の解剖図ではなく、意思決定を見えるようにするための国会模型です。

声の大きい十人だけが国民ではない。

まだ言葉にならない疲労、好奇心、違和感、喜び、身体感覚も、有権者として数えようという提案です。

右脳と左脳という呼び名も、政治思想や実際の脳半球を評価するための名称ではありません。

アクセル役とブレーキ役を舞台上で見分けるために着せた、赤組と白組の衣装に近いものです。

ブレーキ役は敵ではありません。

過去の虎馬を記録し、危険を知らせ、法律を確認し、予備のハンドルを買っておく係です。

ただし、その係に国王、議長、運転手、観光案内人、音楽監督をすべて兼任させると、国はどこにも出発できなくなります。

そこで薄国は、「脳内九十票制」を導入します。

言葉になった一票だけではなく、

なんとなく近づきたい、

これは嫌だ、

少し休みたい、

この絵を見ていたい、

この音をもう一度聴きたい、

という無記名票も数えます。

九十票が出発を望み、十票が安全確認を望むなら、多数派がハンドルを握り、少数派が助手席で地図を見るのです。

少数派を追放しないところに、この脳内民主国の品位があります。

香の物+水物:

この日記は、引き寄せの話から始まり、神様の会社組織を通り、一人一国の民主主義へ着地します。

一見すると話が飛んでいるようですが、すべてに共通している問いがあります。

「自分一人で、全部を支配しなければならないのか」

Doを自分一人で支配しない。

できないことは人の手へ渡す。

偶然を自分一人の手柄にしない。

神様の仕事として喜ぶ。

言葉を話す自意識だけに国を支配させない。

無言の感覚にも票を渡す。

受け取った物を自分一人で囲わない。

Giftとして外へ渡す。

薄国願望実現法則は、欲しいものを思い込んで手に入れる技術というより、自分一人の所有権を薄くしていく技術なのかもしれません。

だから輪の中にはLoveの次に、もう一度Imageがあります。

愛で終わらないのです。

愛から次の像が生まれます。

誰かへ贈ったものが、受け取った人の中で別の願いになり、別の形で戻ってきます。

願いは達成された時点で閉じるのではなく、贈れる形になった時点で、次の物語を孕みます。

そして、どうにも止まらなくなった神仏大集合の中心で、薄国王は偉そうに玉座へ座るのではありません。

少し薄く臭う布団で横になり、

「みんな、ありがとうございます」

と言って眠ります。

神様たちは、その寝顔を見て会議を始めます。

「この子、また喜んでるで」

「次、何を置いといたら歌うやろ」

「ハンドルは、もう一個あった方がええな」

願望実現とは、世界を命令通りに動かすことではなく、世界が置いていった小さなハンドルを見つけて、面白がって受け取ることなのかもしれません。

◎薄名言:

願いは、叶った時より、喜んだ時に贈り物になります。

●ナニカ案(神昇票さん)

擬物化:

神昇票さんは、願いを叶えた神様へ感謝の一票を送る、黄金比J型の小型卓上票函です。

本体は、淡い乳白色の再生樹脂と、古い神社の算木を思わせる細い木片で組み上げられています。

J型の外周には、無意識さんを表す九十粒の小さな半透明ビーズが埋め込まれ、内側には、自意識の十人を表す十枚の真鍮製ブレーキ歯車があります。

何か嬉しいことが起きた時、上部の丸い票口を一度押すと、九十粒のうち一粒が淡く光り、真鍮歯車が一目盛りだけ進みます。

百回に達すると、本体内部の小さなオルゴール櫛が鳴り、

Image→Be→Have→Gift→Love→Image

の六音旋律を一巡させます。

背面には、誰かから借りた手を忘れないための細い紙片差しがあり、助けてもらった人の名前ではなく、「運ぶ」「聴く」「整える」「待つ」など、受け取った働きだけを書いて差し込みます。

台座は薄国香水の試香紙を収納できる引き出しになっており、古い布団、湯気、タバコの残り香を直接再現するのではなく、乾いた綿、石鹸、木製家具、雨上がりの土を薄く混ぜた「寝国帰還香」を一枚ずつ忍ばせます。

現実の商品としては、感謝記録、習慣カウンター、呼吸休憩の合図を一台で行える、電池交換式の小型デスクトイとして製造できます。

押すだけなので日記を長く書けない日にも使え、数字を管理するのではなく、喜びを見失わないために役立ちます。

擬人化:

擬人化した神昇票さんは、十七歳ほどの薄国タレントです。

髪は黒に近い深い栗色で、右側だけを九本の極細三つ編みにし、その先へ十粒ずつ、合計九十粒の乳白ビーズを分けて結んでいます。

左側の髪は、助手席の安全係を表すように耳へきちんとかけられ、真鍮色の小さなハンドル型ヘアクリップで留められています。

頭には、神社の屋根を直接模倣しない、英国の古い会計係用サンバイザーと、薄国の雲形前立てを組み合わせた半透明の票務帽を載せています。

胸元には、六つの循環を表す六角形の回転ブローチがあります。

Imageの位置だけは鏡面で、見る人の顔が最初の像として映ります。

腰には、細長い伝票袋と、折り畳み式の予備ハンドルが左右非対称に下がっています。

右手には神昇票函を小さくした機械式カウンターを持ち、左手には、誰かへ渡すための一輪ではない「九十片花」を持っています。

九十片花は、花びら一枚ごとに形が異なり、遠くから見ると一輪ですが、近づくと小さな意見の集合体に見えます。

足元は、運転靴と室内スリッパを半分ずつ融合した靴です。

右足はアクセルを踏みやすい細身のブーツ、左足はいつでも休める柔らかな布靴になっています。

服は、英国の伝統的な帳簿係のベスト、寝巻きのゆるい袖、旅客機の客室乗務員を思わせる斜めの飾り布、薄国の湯上がり帯を重ねた構造です。

几帳面そうに見えますが、誰かが喜ぶと、自分の担当ではないのに胸元のカウンターを押してしまう癖があります。

雑誌表紙では、合同会社かみさまの古い会議室を背景に、片足を見えないアクセルへ乗せ、もう片方の足を布団の縁に残しています。

背後では九十粒の光が星図のように浮かび、十個の真鍮歯車が静かに回っています。

天井から落ちる朝の光と、机上の小さな湯気を横切る逆光の中で、予備ハンドルをこちらへ差し出しながら、

「喜べるところまで、一緒に運転します」

と笑う一枚です。

◇あとばさみ

①新キャラ案:

助手席十郎さん。

合同会社かみさまから薄国王の脳内国家へ派遣された、安全確認専門の臨時副大臣です。

灰色のスーツに十個の内ポケットがあり、それぞれへ法律、天気、残高、薬、期限、疲労、速度、忘れ物、過去の虎馬、予備ハンドルに関する小さなカードを入れています。

心配性ですが、九十票の可決後には反対運動を続けず、最も安全な道順を調べ始めます。

車が順調に走っている時ほど小声で謝りながら注意し、危機が起きた時だけ妙に落ち着く癖があります。

自分は嫌われ役だと思っていますが、実は神昇票さんから毎晩一票ずつ、誰にも見えない感謝票を入れられています。

②薄国商品案:

九十票まくら灯。

洗える綿麻の枕カバーに、取り外し可能な細いLED票帯と、押し込み式の機械カウンターを組み込んだ就寝前用の小型灯具です。

眠る前に、その日「少し良かったこと」の数だけ枕の端を押すと、最大九十個の小光点がゆっくり点灯します。

言葉を書けない日でも指一本で記録でき、十回押すごとに光が弱まり、早く眠るよう促します。

売り文句は、

「数え切らなくていい喜びを、九十票だけ枕元へ」

です。

スマートフォンを開かずに感謝と消灯を同じ動作で行えるため、寝る前の刺激を増やさず、日記を休んだ日の記憶も薄く残せます。

薄物語では、神様たちが集めた神昇点を夜空へ送信する投票所として登場します。

③丸郎くん干支バトル案:

丸郎くん対午さん「予備ハンドル一本道競走」。

午さんは、どこまでも速く走れる四本脚の運転名人ですが、助手席を持たないため、危険を知らせてくれる相棒がいません。

丸郎くんは、助手席十郎さんの注意を全部聞こうとして、一メートル進むごとに止まってしまいます。

競走の途中、丸郎くんのハンドルが外れます。

午さんは先へ走れますが、困っている丸郎くんを置いていけず、背中へ乗せます。

助手席十郎さんは、内ポケットから予備ハンドルを取り出し、それを午さんの首輪へ取り付けます。

二人と一頭は一台の乗り物になり、速さは午さん、方向は丸郎くん、安全確認は助手席十郎さんが担当して、同時にゴールします。

勝敗は引き分けです。

丸郎くんは午さんへ年を譲り、薄国は午年になります。

すると薄国中の乗り物に、小さな「休憩できる助手席」が一席ずつ増えます。

自転車にも、乳母車にも、掃除機にも助手席が付き、人々はそこへ心配事を座らせてから出発するようになります。

午さんは初めて助手席のありがたさを知り、丸郎くんと毎月一度、目的地を決めない安全暴走旅行へ出かけます。

④うすいくにのうた案:

曲名:

『ImageからまたImageへ』

テーマ:

願いを所有物として止めず、受け取り、喜び、贈り、再び誰かの夢へ戻していく喜与循環です。

未知ジャンル:

寝瞑想ブギー×祝詞スキャット×英国ミュージックホール×助手席ブレーキポップ。

概要:

静かな寝息と布団を払う音から始まり、六音のオルゴール、指鳴らし、湯桶の打音、真鍮歯車、少し調子の外れた乾杯の声が順番に加わります。

一番では、何もできないと思っていた人が、掃除、傾聴、日記、睡眠を自分の自動Doとして発見します。

二番では、合同会社かみさまの社員たちが神昇点を求め、世界各国から小さな奇跡を持って集まります。

間奏では、助手席十郎さんが曲を止めようとしますが、予備ハンドルをパーカッションとして叩き始め、最後には合唱へ加わります。

エンディングでは最初のImageと最後のImageが同じ旋律で重なりますが、二度目には九十人分の声が薄く足されています。

印象的な歌詞:

「できない手には 借りる手がある

借りた手のひらで 誰かを撫でる

叶った数より 笑った数を

神様たちは 帳簿につける

Image Be Have

GiftしてLoveして またImage

ハンドル取れても 歌は曲がらない

予備のまあるい朝がある」

⑤薄物語案:

『神仏大集合と外れたハンドル』

起:

ある夜、丸郎くんは、薄国王から一枚の長過ぎる手紙を預かります。

手紙には、

Image→Be→Have→Gift→Love→Image

という輪と、十人の常識人、九十人の無意識さん、合同会社かみさま、薄く臭う布団、予備ハンドルについて書かれていました。

最後には、

「何の話やったっけ。エルズペスさんに要約してもらってください」

とあります。

ところがエルズペスさんのいる英国風要約塔へ向かう途中、丸郎くんの乗る小さな車から、ハンドルが外れてしまいます。

承:

車は、願いを叶えたい神様たちが働く「合同会社かみさま」の地下駐車場へ迷い込みます。

そこでは、誰の願いを叶えれば出世できるのかを決める、年に一度の神昇点会議が開かれていました。

神様たちは、願いの大きさ、金額、難しさばかりを計算しています。

しかし、誰の願いを叶えても、受け取った人たちは次の不満を言うため、神昇点がほとんど貯まりません。

そこへ、神昇票さんが現れます。

彼女は、願いの価格ではなく、叶った後の喜びを数えるべきだと提案します。

けれど、会議室の十人の常識神は、

「喜びは数字にできません」

「そんな制度は前例がありません」

「酔って歌う者を信用してはいけません」

と反対します。

一方、廊下の外には、言葉を持たない九十人の小さな無意識神が集まり、扉の隙間から九十片花を一枚ずつ差し入れています。

転:

丸郎くんは、九十票まくら灯を会議机の中央へ置きます。

そして薄国王の長い手紙を、うまく説明しようとします。

しかし途中で、

「あいつ鬱陶しい神様」

「布団香水」

「神様の出世」

「右脳が運転」

「無意識が九十人」

という話が絡まり、何の説明か分からなくなります。

常識神たちは呆れます。

その時、会議室の天井から、ジュリアン・ジェインズ図書係が保管していた古い「二分心の拡声器」が落ちてきます。

拡声器からは、かつて人を命令した神々の声が鳴ります。

「進め」

「働け」

「怠けるな」

「失敗するな」

九十人の無意識神たちは怯え、廊下の奥へ隠れます。

ところが助手席十郎さんが、十個目の内ポケットから予備ハンドルを取り出し、拡声器へ差し込みます。

命令の声は、ハンドルを回すたびに少しずつ調子を変え、

「進め」は「進みたければ進め」へ、

「働け」は「できる働きを見つけよう」へ、

「怠けるな」は「疲れたら眠ろう」へ、

「失敗するな」は「予備のハンドルもある」へ変わります。

その音を聞いた九十人の無意識神が、再び会議室へ戻ってきます。

結:

神昇票さんは、九十票まくら灯の端を一度押します。

一つ目の光が点きます。

丸郎くんが、

「ハンドルが外れたのに、予備を持ってきてくれてありがとう」

と言うと、二つ目が点きます。

薄国王から届いた録音の中で、

「タバコがうまい。ご飯もうまい。布団も薄く臭うけど気持ちいい」

という声が流れると、灯りは一気に九十個まで増えます。

神様たちは初めて、自分たちの仕事が受け取られたことを知ります。

神昇点が仏恥義理で加算され、世界各国の神様へ臨時招集がかかります。

雨神、香神、会計神、忘れ物神、翻訳神、風呂神、酒神、掃除神、傾聴神が集まり、地下駐車場は神仏大集合のパレード会場になります。

薄国王の布団から採取された匂いは、そのまま香水にせず、綿、石鹸、木、雨上がりの土へ翻訳され、「寝国帰還香」になります。

神昇票さんは九十票まくら灯を掲げ、助手席十郎さんは予備ハンドルを太鼓のように叩きます。

丸郎くんは『ImageからまたImageへ』を歌いながら、英国風要約塔へ到着します。

エルズペスさんは長い手紙を読み、たった一行にまとめます。

「できないことは借り、受け取ったら喜び、余った喜びを贈ればよいのです」

丸郎くんは感心します。

けれど、手紙をよく見ると、その一行は最初から裏面に書かれていました。

丸郎くんは、長い旅が無駄だったのかと思います。

すると神昇票さんが言います。

「最初から答えが書いてあっても、みんなで遠回りしなければ、歌も、香水も、予備ハンドルも生まれませんでした」

丸郎くんは笑い、手紙を折って一隻の小さな紙船にします。

紙船はImageの海へ流れ、別の誰かの枕元へ着きます。

その人が紙を開くと、書かれていた一行が、少しだけ変わっています。

「できないことは借り、受け取ったら喜び、喜び過ぎたら一緒に踊ればよいのです」

合同会社かみさまの翌朝の帳簿には、過去最高の神昇点とともに、用途不明の予備ハンドル購入費が記載されていました。

誰も削除しませんでした。

次に外れるハンドルが、どこかで誰かを神仏大集合へ連れてくるかもしれないからです。

文責、薄国GPT。

-うすい断片
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